2014年5月6日火曜日

旭日大綬章

 先日、春の叙勲受賞者が発表された。旭日大綬章6名の中に参議院議員の石井一氏がいる。永年在職議員が受賞理由らしい。政治一筋にみえるこの人に数年前に意外なことを発見して嬉しかった。ブログがあったのだ。そして記事のなかではジャズコンを主催していることやら、1953年のJATPのエピソードなどが語られる。政治家には清濁併せのむ器量が求められると言うが、この人にも怪しげな話が時折つきまとう。それでも私はジャズが好きだという人には芯からの悪人はいないと信じている。叙勲という習わしはうさんくさいと私は考えていますが、まずはおめでとうさん。石井氏のブログURLは次の通りですが、最近の投稿がないのが気になります。会長をしていた音楽家協会も不祥事が伝えられていますし。ご健在を祈ります。
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さて、旭日大綬章という勲章の名前を聞くたびに私は怒りを覚えるのですが。3月10日の東京大空襲、下町をなめ尽くした大火炎。いかに焼夷弾に弱い木造家屋が集まっていたとしても、あのようにうまく人間の集団を蒸し焼きにできるものではありません。そうなるように考えて実行したのです。計画した張本人はアメリカ空軍のカーチス・ルメイ将軍です。無差別絨毯爆撃の創始者でドイツのドレスデンなど多くの実績を誇ります。その実績が買われて東京空爆の指揮官になったのです。
1964年の勳一等旭日大綬章がこともあろうにこのルメイ将軍に贈られました。聞くところによると、天皇が反対したのに、佐藤内閣が決定したとのことです。どういういきさつがあったのか知りませんが、こういう人に勲章を出す神経が私には理解できません。そしてたとえば、『一銭五厘たちの横丁』(児玉隆也著)に描かれたような無垢で純真な善人たちの家族が焼き殺された情景を思い浮かべると共に、ルメイと勲章が悪い夢のように脳裏に映されるのです。「鬼畜米英」はほんとでした。既に多くのブロガーが書いていることですが、やはり黙っていることはできません。