この現象はディスクや読み取り装置に汚れなどがある場合や装置の故障によって生じるという。汚れの対応にはレンズクリーナーというディスク状の道具があることを知った。アマゾンで600円ほどなので注文したら翌日到着した。レンズクリーナーをトレイに置いて挿入する。しばらくして、やはり「ディスクが読み取れません」と来た。繰り返してもだめ。クリーナーの説明には10回ほど繰り返してだめなら読み取れない理由が他にあるのだから修理しなくてはならないとある。
知り合いのパソコン修理の技術者の方に問い合わせた。BDドライブの不調は交換することになるが、部品代だけでも1.5万円はかかる。修理に出すよりも、新しくBDレコーダーを買って録画を移行してダビングするほうが合理的でないかとの助言をもらった。
そういうことならと、テレビがシャープ製なのでシャープ製のBDレコーダーを買った。機種を選ぶときにわかったことは、前に買ってから7年もたっていることだった。これでは光学ディスクの読み書きなど、もろい構造の機器は不調になるのもやむなしと思う。その一方で画像の精細さを追う技術の進化には一驚した。またユーザーの方も進んでいる(?)とみえて、ドラ丸という聞きなれない用語がレコーダーの使い方にあった。連続ドラマを自動的に予約して録画できる機能のようだ。チューナーも一つだけでなくダブルで使えるというのもあった。当方はつつましい使い方しかしないので、それなりの機種にした。ダブルチューナーで、ストレージは500GB。
さて、新しく得た知識と苦心の作業過程を記録しておこう。本人以外にはまことにつまらない記事になること請け合いだが書くことにする。
【作業1】新しいレコーダーをテレビに繋ぎ、初期設定をする。後知恵であるが今度の故障とは関係なく、レコーダーを新規に買い求めたのと同じように接続その他を先に終えてしまうのがよい。いちばん苦手なアンテナ接続は新旧レコーダーの端子を見比べて繋げばいいから楽だった。
新しいレコーダーの「B-CASカード」挿入が必要。これがないとデジタル放送が受信できない。作業終了後、カードの説明書に添付の「BSデジタル受信機器設置連絡票」はがきを郵送する。
買い換えお引っ越しダビング |
【作業2】古いレコーダーのHDDから録画を新しい機器のHDDに引越しするための接続。「買い換えお引越しダビング」という名がついている。2台をルーターに接続する方法と、LANケーブルで直結する方法がある。ルーターは別の部屋にあるため後者を選んだ。2台の機器をそれぞれ「ホームネットワーク設定」にするのがポイントだが、ここに落とし穴があった。何度やってもうまくいかない。取扱説明書は一字一句薄い表示も含めて確実に読むことが鉄則である、とはこれも後知恵の教訓。
[ダビング元の機器設定]リモコンの「ホーム」を押し、ホームメニュー表示⇒設定⇒ホームネットワーク設定で「決定」という手順が説明されている。あとでよく見ると、小ぶりの文字で、下記の設定は例示であって、お使いの機器と異なる場合があるから、お使いの機器の取説を見よ、と書いてある。つまり古い機器の説明に従って設定せよということであるが、こっちは何しろ故障で起きた手違いの挽回に頭がいってしまっているからそんな物は見もしないし、だいいちこの但し書きに気が付かなかった。結果は「サーバーが見つかりません」と表示される。
弱い頭で考えたあげく、新旧それぞれに「ホームネットワーク設定」をするが、テレビに繋いでいるHDMIケーブルをいちいち繋ぎ変えて、古い機器は古いホームメニューで、新しいのは新しいホームメニューで行う。リモコンも使い分けるということもした。これはこれで正解であったが、[ダビング先の設定]でもわからないことがあった。
ネットワーク設定の段階で説明書には、有線を選んで設定する、という画面があるがそういう画面は表示されない。書いてないものはシャーナイな、とばかりその手順を飛ばして設定を終えた。なんとこれで全部できてしまった。
無事にダビング元の録画リストが表示されて、ディスクにダビングする手順に移れるようになった。
実は、さんざん考えあぐねているときに疑問点を書き出してシャープにメールしたのが、一日おいて回答が来た。この箇所については、当方の機種は「無線に非対応なので有線LANでネットワークに接続いたします。有線/無線選択画面は表示されません」ということであった。そんなことはどこに書いてあったのかと、よくよく取説を見れば「本機のネットワーク設定」のページに機種名とともに有線接続と書いてあった。結局接続がうまく出来ない原因は当方が説明を見落としていたからだ。シャープには丁寧にお礼を申し上げておいた。
【作業3】引っ越しダビングの操作。ダビング元の名前が表示されたら、クリックしてフォルダー、タイトルの順に表示させて引っ越すタイトルを選ぶ。個別に選んでも一括して選んでもよい。一度に100タイトルまで選択できる。今回は80ほど。ダビング先とHDDにダビングすることを「確認」して開始。全部終わるまで数時間以上必要だったので、こちらが就寝中にレコーダーに働いてもらった。これでようやく所期の目的の、ディスクへのダビングができるようになった。
【作業4】試運転。新レコーダーの内蔵HDDからディスクにダビングする。はじめはブルーレイディスクを試す。110分の録画は高速であっという間に終わった。次はDVD-RWに試みる。DVDは初期化が必要、VRフォーマット。1倍速で無事終了。さてPCで見るためにはファイナライズが要るが、自動でやってくれるのかどうか、念のために実行した。自分の悪い癖は新しい機器の取説を見ないでいきなり動かそうとすることだ。ファイナライズもどこでどうするのか、当てずっぽうでそれらしい設定を選んだら正解だった。ファイナライズはダビングとは別途の独立した作業だった。無事終了。新しいレコーダーで放送のHDDへの録画はまだ試していないが、まず大丈夫だろうから、試運転はこれで終了とする。
【作業5】つぎはダビングができたディスクをパソコンで見ること。これぞこの度の騒動の根源となった目的なのだ。現在常用しているPCはhpの15インチノート型、昨秋来使っているが、Windows10の大きなアップデートが既に2度もあった。使用者が年老いて画面の読み書きに文字が読みにくくなってきたので、22インチのモニターを繋いでいる。映画にはこれが効果を発揮する。
DVDは無事に再生できた。しかし我が工房ではブルーレイディスクの録画をパソコンで楽しむことは出来ない。
パソコンにはDVD/CD-ROM ドライブと再生ソフトのCyberlink Media Suitが入っていてブルーレイには対応していない。ブルーレイディスクが出はじめた頃、価格が高かったので使わないことにして以来ブルーレイには関心がなかった。しかし今回の経験でブルーレイディスクがずいぶん安くなっていることを知って気が変わった。この際、外付けドライブを買うことにした。バッファローのにしたが、これにもCyberlinkが入っている。今度はフルバージョンで、次世代ディスクのウルトラ何とかにも対応している。インストールすると前のBDなしのバージョンと置き換えられた。おまけのようにいろいろな機能がついているがよくわからない。ともかくこれでブルーレイディスクの再生ができるようになった。めでたしめでたし。*
BDレコーダーの不調で買い換えたうえに、さらに外付けドライブも買うことになり、先行き短いご老体が思わぬ投資をした。まだ当分はこの世にいることにして、せいぜい映画も楽しもうと欲を出している。
(2017/11)
*【追記】外付けドライブ バッファローBRUHD-PU3にはCyberlink PowerDVD14が付属していたが、最近録画したNHKBSをダビングしたBDは再生できなかった。PowerDVD18にアップグレードしなくてはならないようだ。たぶんNHKの仕様が変わったためだろうと想像している。バカバカしいのでBDはBDレコーダーで見ることにする。PCで見ながら静止画ショットが撮れないのが残念だ。(2018/9)