2021年2月2日火曜日

バッテリーがあがった――パソコンの話

 ノートパソコンの画面がスーッと暗くなっておしまい。めったにないことだから慌てた。電源ボタンを何度か押してみたが反応無し。そのうち起動したようだったが、すぐ黒い画面に文字が現れた。小さい文字が並んでいる。英語だ。瞬時に読み取れた単語はreplaceだった。すぐに消えた。

予備のPCで探り当てたのは次の文言だ。HP Battery Alert(下図参照)、HPはヒューレット・パッカード、このパソコンのメーカーだ。

電池量がごく僅かになっている、交換が必要である、詳しくは下記URLを参照せよ、といった文章である。大事なのは4行目の、Enter-Continue Startupだ。

スーッと画面が暗くなったときにEnterを押すと起動するから、それまでの作業内容を保存するなどして一旦電源を切る。その後に点検その他必要な作業をするのが妥当な手順だと思う。しかし、電気が切れることなどふだんは予期していないから慌ててパニックになる。意地の悪いことに、この画面は15秒で切れる。起きてからの警告でなく、前もって教えておいてくれれば良いが、それでは商品の印象が悪くなるだろう。ノート型を使うならこの程度のことは承知しておけよということなのだ。

hpにはバッテリーチェッカーがあって、ヘルプから呼び出せる。今回バッテリーを何日か休ませたら起動したので、チェッカーを試すと、充電はされているが障害があります、と表示された。通知領域のバッテリー・アイコンが満タン状態になって「完全に充電されました」と出たが、何分も働かないうちに切れてしまった。チェッカーは正直である。もはや充電しても貯めておく能力がないというわけだろう。

エラーコード601の内容を見ると、交換指示の理由として、機器の使用期間、またはバッテリーの使用期間が長くなったからだという。本機は2017年製でバッテリーは2016年製だ。4年では少し短い気もする。バッテリーは消耗品に違いないし、使われ方によって寿命に差が出る。高校物理で習った電気の仕事量、W=VxIを思い出す。バッテリーの電圧は一定だから仕事が多いと電流がたくさん必要というわけで理にかなっている。

ノート・パソコンのバッテリーは何のためにあるのか。電源のない場所でも使いたいというのがノート型の発想の元だという。搭載するバッテリーには大きさと持続時間の制約があるから、再充電可能な電池が使われている。コンセントに繋ぐACアダプターは電力会社から送られて来る交流電流をパソコンに必要な直流電流に変換する装置である。これに故障がない限りバッテリーは再充電を繰り返しながらパソコンを動かす。停電などの場合に作業中の仕事を保存するまでの時間稼ぎである。いうなればつなぎ融資であるな。デスクトップ型の場合には直流電流を得るための電源ユニットが内蔵で使われている。バッテリーはついていない。慎重な需要家はUPSという電源障害に備える装置を用意する。パソコンにはもうひとつCMOS電池というOSの起動情報を保持するための電池が要る。普通のボタン電池で5年ぐらいの寿命がある。時計を動かしているらしい。

さてノート型パソコンでバッテリー交換が必要になった。幸い当方のノート型はケースの一部分がバッテリーごと脱着自在になっている。中についているラベルにはreplace with 807957-001とあり、別の箇所に電池容量やら電圧など虫眼鏡が要るが読めるから、市場で探す手がかりになる。メーカーの在庫はないということなのでネットで探す。純正品として品番など手がかりが出ている販売業者が安心だと思う。実は当方はそこまでわかる店が探せなかったので品番だけで買ってみたが実際に取り付けてみるまで不安があった。ただし、買わなくてもバッテリー無しでパソコンは動いてくれる。取り付けないでいるとホコリなどが入るだろうから取り付けることにした。市販の価格の幅は数千円程度だがメーカー直販よりは遥かに安いはずだ。以上がこの度勉強した事柄である。(2021/2)